第128回 ’88正月 青春18きっぷの旅 その4 昭和63年

「'88正月 青春18きっぷの旅」も今回が最終回となります。
新潟駅から出発した二日目の旅は、磐越西線で到着した会津若松駅から只見線に乗り換え小出駅に向かいます。
12半頃に発車する2両編成の気動車に乗り、約140kmの距離を四時間かけて走破するのんびり旅のはじまりです。


JR東日本 只見線 会津高田駅
s630103_只見線会津高田駅
◆ 撮影日:1988/1 PENTAX LX smc PENTAX-M 35mm F2/Nikon COOLSCAN IV ED

只見線というと関東圏に住んでいる者としてはなかなか難易度が高く、旅のルートの中にどうやってもぐりこませるかが考え所となります。
距離がそれほど長くない割に全線走破するとなると時間がかかり、会津若松駅であれ小出駅であれ首都圏からは近くないので他の路線を乗り継ぐことを考えると起点を朝の便で出発することが望ましいでしょう。
なので旅程の中のどこかで宿泊することは必須となる訳で、これが只見線走破の難易度が高い理由ともいえるでしょう。


JR東日本 只見線 会津柳津駅
s630103_只見線会津柳津駅
◆ 撮影日:1988/1 PENTAX LX smc PENTAX-M 35mm F2/Nikon COOLSCAN IV ED

只見線では全線を走破する列車は3本しかなく、しかも会津川口駅と大白川駅の間で途中下車するとその日のうちに首都圏まで帰ることが困難になってしまいます。
只見線をメインに据えて楽しむのであれば起点を早朝の列車で発つのが必須となりますが、会津川口駅〜只見駅間で途中下車してしまうと次の列車が来るまで約6時間待ちとなってしまい、さすがの私でも時間の潰しようがありません。
降雪期でもなければ隣の駅まで歩いても余裕な感じですが、夏は勘弁して欲しいですね。

手元にある1987年の時刻表を見てみると「急行奥只見」という列車がありますが、4月〜11月までの運転だし、普通列車との運転時間の差は40分ほどと大幅な時間短縮にはなっていなかったようです。
乗車してみてわかりましたが、とても高速運転できるような線路ではないので”然もありなん”といったところでしょう。


JR東日本 只見線 会津川口駅
s630103_只見線会津川口駅
◆ 撮影日:1988/1 PENTAX LX smc PENTAX-M 35mm F2/Nikon COOLSCAN IV ED

会津若松駅を出発した列車は会津盆地の南端をぐるっと周り、会津坂下駅を過ぎたあたりから只見駅まではひたすら只見川沿いの勾配を登って行くことになります。
時速30〜40km/h程度のゆっくりした速度で走るため、関東ではなかなか見られない川幅の広い只見川を列車の車窓から眺めることができます。
特にここ会津川口駅では列車交換のための停車時間の間に、間近に流れる只見川の様子をじっくり眺めることができました。


JR東日本 只見線 只見駅
s630103_只見線只見駅ホーム
◆ 撮影日:1988/1 PENTAX LX smc PENTAX-M 35mm F2/Nikon COOLSCAN IV ED

日本有数の豪雪地帯でもある只見町にある只見駅ですが、この年の正月はご覧のようにほとんど雪のない状態でした。
地味な割には鉄道ファンの間ではそれなりに知名度のある只見線ですから、事前情報で知っていたこの季節特有の駅舎の雪囲いを見ることもできましたが、屋根まで届く多くの雪を見られることもなくちょっと拍子抜けでもありましたね。
ただ降雪期の地元の方の毎日の除雪の苦労を考えると、よそ者の勝手な期待というのも迷惑なのかもしれません。


JR東日本 只見線 入広瀬駅
s630103_只見線入広瀬駅
◆ 撮影日:1988/1 PENTAX LX smc PENTAX-M 35mm F2/Nikon COOLSCAN IV ED

冬季間全列車が通過する駅として有名だった田子倉駅を過ぎ、六十里越トンネルを抜けると新潟県に入ります。
会津若松から六十里越トンネルまでは上り勾配をひたすら苦しそうに登ってきた只見線のディーゼル列車ですが、新潟県に入り小出駅までの間は下り勾配を惰行で軽やかに下っていく様が印象的でした。

朝から曇天模様だった天気も入広瀬駅に着く頃には日が差して晴れ間が見えてきました。
ちょうど停車中の車窓から守門岳が見えたので駅名版と絡めて撮影してみました。
只見川沿いの只見線の車窓はなかなか魅力的なものでしたが、新潟県に入り日没が近づく小出駅までの間では睡魔との戦いもありあまり記憶が残っていません。


そのあとは小出駅から上越線に乗り換え普通列車で東京を目指しますが、越後中里駅近くにあるスキー場の旧型客車を利用した休憩スペースぐらいしか印象になく、どうやって自宅まで帰ったのか記憶がありません。
二日間とはいえ、ひたすら列車での移動だけだったので疲れも相当溜まっていたようです。
今だったらもう少し観光要素も入れたプランを立てるところですが、当時はとにかく一日中ただ車窓を眺めているだけで満足だった、というのは今でもはっきりと記憶に残っています。


今回の行程
会津若松駅→(只見線)→小出駅→(上越線)→高崎駅→(高崎線)→上野駅→(京浜東北線)→神田駅→(中央線)→新宿駅





今回のきっぷコレクション

JR東日本 只見駅 硬券入場券
630103_只見駅入場券


今回使用した青春18きっぷ(昭和63年1月3日)
630103_18きっぷ

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テーマ : 鉄道写真
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非公開コメント

こんにちは。
続けてのコメントにて失礼致します。
只見線の旅のお写真も楽しく拝見しています。確かに、列車の本数の少なさ、時間のかかり方を含めて、訪ねるには時間が必要な只見線ですが、列車の旅が本当にいいものだと実感できる路線でもあります。
18きっぷで在来線の普通列車での旅、今でも好きですが、関東から見ても、会津若松までの距離、小出側は上越線の水上〜越後中里の本数の少なさも相まって、時刻表と格闘することになります。
豪雨災害で不通になって以来随分と時間が経ちましたが、復旧への道筋がようやく見えて来たことを嬉しく思っています。
またいつか、旅したい路線です。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/

風旅記さま

コメントありがとうございます。

ここ数年只見方面に訪れる機会が何度かあったので、豪雨災害で落ちた鉄橋の様子などをこの目で見てきましたが、復旧には遠い道のりだろうと感じてました。
不通区間の復旧がようやく形になってきたようなので、いろいろ前途多難でしょうが一鉄道ファンとしては喜ばしいともいえるでしょう。

さて、全線走破がなかなか難易度の高い路線とはいえ、只見川沿いをゆっくり走る気動車の車窓から見える景色は飽きのこないものでした。
会津若松から乗車すると只見まではひたすら登り勾配のため少々騒がしいエンジン音が気になりましたが、只見までやってくるとたっぷり時間をかけてはるばる来たなぁと感じたものでした。
小出側からの乗車は経験がないので、全線復旧した折には再度乗車しに行ってみたいと思っています。

No title

実に素敵な風景ですね。
ただ、こんな風景も、もしかしたら将来的に見納めになってしまうような噂がチラホラと流れてますが・・・
一番下から2番目のお写真、私の只見線訪問時を思い出します。多分2008年か2009年だったと思いますが、確か5分くらい停車時間があったので、飲み物を買おうと駅舎まで突っ走ったのですが、運転手さんだか駅員さんだかに「ないもないよ!」と言われちゃいました。いやいや、単純に飲み物が欲しかっただけなのですが、向こうにしてみたら私が「鉄道少年」にしか見えなかったのでしょうね。いやいや、すでに当時は「中年」だったのですが・・・

ダイヤモンド☆トナカイさま

ここ10年ほど車で只見界隈に定期的に訪れていることもあり、只見駅をはじめその他の駅にも訪問していますが、この記事にある約30年前の景色と大きく変わらないなぁというのが率直なところです。
地元では不通区間の復旧で盛り上がっているようですが、費用は地元負担との事なので正直どうなのだろう?感じるところもありますね。

只見線の訪問といえば実は2008年の7月に若松から小出まで全線走破しました。
ダイヤモンド☆トナカイさまと同時期に訪問していたとはちょっと驚きです。
当時は田子倉駅も健在でしたしメディアにも取り上げられて訪問客が増え始めてた時期だったように感じました。

さて駅員さんの「なにもないよ!」ですが、確かに只見駅の駅前にはコンビニや観光的なものなどは無いため少ない停車時間内に見るべきものは何もないと言えるわけですが、構内の観光案内所で地元特産品やお土産が売ってたり、飲料の自販機もあるのでほんとうに「何もない」という事はありませんでしたよ(笑)
只見での停車時間が短かったためせいぜい自販機の飲料を買うぐらいしかできませんけど。
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