第153回 2003年の大崩海岸 旧石部隧道 その2 平成15年

前回に引き続き2003年の正月に訪問した、静岡県の大崩海岸「旧石部隧道」の様子です。
正月早々の曇天の早朝に訪れた大崩海岸。
この時の訪問では友人との二人での訪問でしたが当時足を負傷していた友人は車に残り、一人での撮影は不安感の漂うものでした。


静岡県静岡市 大崩海岸 崩壊した東海道本線旧線路盤跡
200301大崩海岸_07
◆ 撮影日:2003/01 Nikon F5 AiAF Nikkor 20mm F2.8D

半分崩れ落ちた旧石部隧道の抗口を後にして、ほぼ消失しかかった旧路盤跡の中間地点までやってきました。
見えている範囲の波打ち際まで路盤があったと思われますが、数十年のうちに数メートルの高さがあったであろう路盤は波に削り取られてしまったようです。


静岡県静岡市 大崩海岸 崩壊した東海道本線旧線路盤跡
200301大崩海岸_08
◆ 撮影日:2003/01 Nikon F5 AiAF Nikkor 50mm F1.4D

さらに進んでみると崩れ落ちた法面のコンクリートの塊が見えてきました。
まだかろうじて残っている路盤より上側の法面も、崩れ落ちてくるのは時間の問題なのでしょう。
こんな姿を前にしてしまうとこれより先に一人で進むのは危険と判断。
引き返すことにしました。


静岡県静岡市 大崩海岸 崩壊した東海道本線旧線路盤跡
200301大崩海岸_09
◆ 撮影日:2003/01 Nikon F5 AiAF Nikkor 20mm F2.8D

振り返ってここまでの道のりを見てみます。
これだけの巨大な石垣やコンクリートの塊を崩壊させる波の力を見せつけられると不安感しかありません。
早朝の曇天模様がそれを助長させ、足早に撮影をしつつの撤退となりました。


静岡県静岡市 大崩海岸 崩壊した旧石部隧道抗口
200301大崩海岸_10
◆ 撮影日:2003/01 Nikon F5 AiAF Nikkor 85mm F1.8D

よく見る構図で撮影した旧石部隧道の抗口。
こうやってみると崩れた路盤上に育った木の高さからも長い年月を経てきたことで、それなりの高さがあった路盤が波による侵食で綺麗さっぱり洗い流されているのがよくわかります。


静岡県静岡市 大崩海岸 崩壊した東海道本線旧線路盤跡から見る伊豆半島
200301大崩海岸_11
◆ 撮影日:2003/01 Nikon F5 AiAF Nikkor 85mm F1.8D

帰り際にふと海の方を見てみると、はっきりしなかった西伊豆の山並みがシルエットで見えてきました。
晴れた日中ならまた違ったイメージに見えるんでしょうが、このシチュエーションではそんな呑気なことは言ってられません。
この時のそんな感情がこのコマを撮影させた動機だったのでしょう。


静岡県静岡市 大崩海岸 東海道本線 旧石部隧道付近
200301大崩海岸_12
◆ 撮影日:2003/01 Nikon F5 AiAF Nikkor 85mm F1.8D

ここまで戻ってようやく旧石部隧道の後ろに目指す海上橋が見えてきました。
駿河湾とはいえ、太平洋に面した外海なんですよね。
普段東京湾ぐらいしか見ることのない地域に住んでるため、外海はなんとなく怖いイメージあるし、ましてや逃げ場所のない断崖絶壁ですから恐怖心しかありません。
開通当時は今と違って路盤から続く砂浜も広かったんでしょうが、それにしても外海の波に直接洗われる環境の場所に日本の大動脈ともいえる東海道本線を通すのは大それた事と言えそうです。
結果今現在(2003年当時)の姿がこうなんですからねぇ。
然もありなんといったところでしょうか。

狭い波打ち際を足早に通り抜け、友人の待つ車に戻った時は「無事に戻るという責任」を果たした安心感でいっぱいでしたが、一つ間違えば大事になりかねない撮影というのは考えものだなと感じました。
この地のこの時の様子をフィルムに収められたのは満足すべきことですが。


その後は大崩海岸沿いの(当時の)国道150号を焼津まで往復してみたり、教科書で見たことのある登呂遺跡を訪問してみたり、久能山下の海沿いを走ってみたり。
終日曇天模様だったためか、晴れやかな気持ちになることのない、どんよりした撮影旅となった記憶が残ることとなりました。


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